2007年12月7日(金)「しんぶん赤旗」
生乳減産 バター不足
Xマスに影響 パン屋困った
パンやケーキ作りに欠かせない無塩バターが品不足に陥り、加えて原油価格の高騰に伴う原材料の値上がりで、街のパン屋さんが悲鳴を上げています。
無塩バターの品不足は、生乳の生産が減り、その影響で加工品のバターも減少しているため。
東京都江東区のパン製造小売店「ボナペティ」は最近、取引先から「無塩バターが確保できない。今後の調達は微妙だ」と通告されました。
農水省によると、牛乳の消費量が減少傾向にあるため、牛乳の生産調整を担う生産者団体の中央酪農会議は二○○六年度から十二年ぶりの減産を実施。生乳の生産量は同年度が前年度比2・5%減の八百八万八千三百トン、今年度も十月までで前年同期に比べ1・8%減の四百六十九万五千六百トンに減少しました。この間のバター生産量も同6・3%減の四万一千三百八十トンに落ち込んでいます。
店長(40)は「このままではパンが作れなくなる」と危機感を募らせています。
一方、原材料の値上がりも深刻です。
「原材料から包装紙まで上がっている。パン作りの入り口から出口まですべて値上げされている」と嘆くのは、茨城県土浦市のパン屋「ラムール」の店長(63)。店を開いて二十三年ですが、「砂糖や塩の値上げはあったが、すべてにわたる値上げは初めて」と憤ります。
店長によると、粉類、砂糖、塩、油脂類、ナッツ類、包装紙(ビニール袋)などで10―20%も高くなっています。
「クリスマス商戦にも影響がある。町場の小さい店は、価格転嫁は無理だ。このやるせなさをどこにぶつけていいのか分からない」