2007年12月6日(木)「しんぶん赤旗」
生活保護行政
北九州市局長が謝罪
「扶養義務を要件」は誤り
北九州市の小村洋一保健福祉局長は五日、開会中の市議会で、生活保護行政について「扶養義務は保護を受給するための要件」とする、これまでの法解釈を「誤り」と認め、謝罪しました。「扶養義務の有無」は、八幡東、門司区の餓死事件など申請を窓口で拒否する「水際作戦」に使われてきました。今後、申請書の交付に際して、兄弟や親族などに責任を負わせようとする「扶養義務の有無」を条件とすることができなくなります。
日本共産党の柳井誠市議の追及に答えたものです。
市は九月議会で、「面接・相談の段階で扶養の確認を求め、確認ができなければ申請書を渡さないということは、申請権の侵害にあたる」と答弁。その一方で、「扶養義務は保護の要件」とする従来の見解に固執し続けてきました。
小村局長は、十月半ばに全福祉事務所に対し是正の通知をしていたことを明らかにし、あわせて『面接相談マニュアル』の改訂作業に際し、同記載を削除する、との考えを示しました。また、生活保護制度を周知するため、『生活保護のあらまし』を「区役所の(保護課以外の)窓口に置くことを検討する」とも言明しました。
さらに、小村局長は、ホームレスが労働下宿など簡易宿泊所を住所に生活保護を受ける居宅保護について、厚生労働省から「日常の起居の場として生活しているのであれば住居として認めて差し支えない」との指摘を受けたとし、従来の“認めない”とする態度をあらため、「検討したい」と述べました。
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