2007年12月4日(火)「しんぶん赤旗」
患者悲痛“もう待てない”
難病認定こそ希望
79団体180人参加
「一日も早く私の病気を難病だと認めて、治療法の研究を始めてほしい。難病認定は患者の希望であり、『あしたまたがんばろう』という心のともしびです」(脳下垂体機能障害の患者)―。「難病・長期慢性疾患・小児慢性疾患『患者・家族の声を!』全国大行動」(実行委員会主催)の「全国集会」が三日、東京都千代田区の衆院第二議員会館の会議室で行われ、難病対策の抜本的な拡充を訴えました。
集会には、「日本の患者運動史上、かつてない規模」(主催者)の七十九団体・約百八十人が参加しました。日本共産党の吉井英勝、高橋ちづ子の両衆院議員や、自民、民主、公明などの各党議員も出席。各患者団体から七人が発言しました。
「財政難」を理由に、難病の医療費助成制度(特定疾患治療研究事業)の適用外しが、昨年に続き狙われているパーキンソン病とかいよう性大腸炎の二疾病。
パーキンソン病の男性は「痛みをおさえる対症療法しかなく、薬を飲んでも背中が曲がるなど、病気の進行は止まらない。私も家族も肉体的にも精神的にも金銭的にも、ぼろぼろの状態。患者数がどんどん増えるから『希少性』の条件にあわない、だから制度から外すという動きは、人道からまったくはずれた行為だ」と批判しました。
かいよう性大腸炎の男性も「先に予算ありきで、患者を切り捨てる政策には反対だ」と強調しました。
脳下垂体機能障害の女性は、涙で声を詰まらせながら訴えました。
「一つの病気を難病に認定するのに二千万円の予算しかかからない。なぜ、政府は毎年一つか二つずつしか新しく難病に認定しないのか。一年、また一年と待つ身になってほしい。私の発症は十年前。難病に認定され、早く病気がわかれば腫瘍(しゅよう)もできず、治せたかもしれない。いまは自己注射を毎日している。医療費が高く、いつまで続けられるかわからない」
参加者は同日、政府や国会議員に対して、(1)予算を大幅に増額し、総合的な難病対策を実現すること(2)すべての難病を難治性疾患克服研究事業(治療法の研究事業)の対象疾患にすること―など十項目の要望事項を要請。あわせて、前日の「患者・家族のつどい」で採択した「国は『必要な医療は保険診療で』の原則を貫け」とする混合診療についての緊急決議も提出しました。
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