2007年11月23日(金)「しんぶん赤旗」
54%地域で常時活動
アフガン シンクタンクが報告
タリバン
【ロンドン=岡崎衆史】国際シンクタンク、センリス・カウンシルは二十一日、アフガニスタン情勢についての報告書を出し、反政府武装組織のタリバンの勢力が拡大し、恒常的に活動している地域が五割を超えていると報告しました。
報告はアフガンの「治安状況は危機的な域に達した」として、同国の54%の地域でタリバンが常時活動していると指摘。「現在問題となっているのは、タリバンが首都カブールに戻ってくるのかどうかということではなく、いつどのように戻ってくるのかということのようだ」と述べました。
特に南部でタリバンは、頻繁な戦闘行為とともに、広範な地域を事実上統治し、地域経済や道路、エネルギー供給などを支配しているといいます。
報告はさらに、多くのアフガン人の間でタリバンが政治的権威として広く認められるようになってきているとしました。
また、アフガンに広がる貧困と失業が、タリバン勢力の新しい構成員となりうる人々を「ほとんど無限に」生み出しているとし、タリバン勢力伸長の背景に社会・経済的要因があると指摘しました。
タリバン勢力は、これらの新しい人員を加えて絶えず組織を再生するとともに、自爆攻撃などの新しい戦術を用いて北大西洋条約機構(NATO)軍を中心とする国際治安支援部隊(ISAF)に対抗しているといいます。苦戦するISAF軍は、かつてタリバン軍を駆逐した地域に再び戻らざるを得ない状況だといいます。