2007年11月20日(火)「しんぶん赤旗」

輪島で震災対策考える

避難所整備や支援法説明を


 石川県輪島市で十八日、能登半島震災シンポジウム「震災とセーフティ・ネットを考える」が開かれ、約百人が参加しました。日本学術会議、金沢大学、輪島市の主催。早川和男・神戸大学名誉教授、地域づくりコーディネーターの水野雅男氏、金沢大学大学院生の井口克郎氏が報告しました。

 早川氏は老人ホームや保育所、公民館などが震災の際、避難所となる「居住福祉資源」であり、日ごろの整備を求め、鎮守がコミュニティーセンター、心の支えだとして基金による支援を強調しました。

 水野氏は能登半島地震で、ボランティアと左官、大工など専門家が協力して輪島市の土蔵修復活動をおこない、回遊性に富んだ町づくりの実践を報告。一口五万円の「土蔵債権」を発行し、土蔵で作った酒や輪島塗五万円分を贈るユニークな財源対策を披露しました。

 井口氏は、市民の生活上の困難や要望の聞き取り調査結果を報告。能登半島震災では直接的な地震被害と同時に過疎・高齢化という二つの問題があるとし、「復旧だけでなく、地域の発展の道すじをつけることが重要」と報告。安心して住み続けられるための生活保障制度の整備を強調しました。

 会場からは「改正被災者生活再建支援法の説明会を開いてほしい」「道路に面した家の改築で、敷地の奥に家を建て、前に駐車場をつくろうとしても認められない。おかしい」「中越地震で認められた神社仏閣への支援が認められない。住民の声をあげることが大事」の意見が相次ぎました。


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