2007年11月14日(水)「しんぶん赤旗」
多重債務者に救済の手
東京 全国キャラバン報告会
相談もできずにひとりで悩んでいる多重債務者を掘り起こし、救済の手をさしのべる「債務相談全国キャラバン」の集結報告会が十三日、東京都新宿区の司法書士会館で開かれました。弁護士や被害者団体でつくる「高金利引き下げ全国連絡会」など五団体が共催や後援しました。
キャラバンは五月十五日に埼玉県秩父市をスタート。東西に分かれて都道府県を回り、ビラ配布や相談会を行い、自治体には多重債務相談窓口の常設などを要請してきました。
報告会の冒頭、関東地方に住む被害者男性が「借りたことを忘れるために、ギャンブルにのめり込むようになった」と正常に思考できなくなった体験を証言。「死にたいと考えたこともあったが、戻れるところで止めていただいた」と、被害者の会に感謝の意を表しました。
宇都宮健児弁護士が、国、日弁連などが共同して取り組んでいる「多重債務問題改善プログラム」の進ちょく状況を報告。「富山県を除く四十六都道府県で多重債務者対策協議会が設置されるようになった」と紹介しました。
全国キャラバンの取り組みを愛媛、埼玉、東京の代表が報告し、「奈良、静岡、福井で新たに被害者の会が結成され、他県でも結成の機運が高まっている。私たちの運動が広がり、大きな役割を果たしています」などと訴えました。
参加者は「全国で約二百三十万人以上といわれる多重債務者のいない社会を目指す」との行動宣言を採択しました。