2007年11月13日(火)「しんぶん赤旗」
パキスタン大統領
1月9日以前の総選挙表明
「最高裁長官解任は合法」
【ニューデリー=豊田栄光】パキスタンのムシャラフ大統領は十一日、首都イスラマバードで記者会見し、非常事態宣言は「憲法にも法律にも違反していないと」と発令を正当化し、政府に不都合な命令を数多く出していたチョードリー最高裁長官の解任についても、「合法で合憲である」と主張しました。三日の非常事態宣言後、ムシャラフ氏が会見するのは初めてです。
非常事態宣言の発令についてムシャラフ氏は、「民主化プロセスを救うための思い切った手段であり、私は必要なことを選択しなければならなかった」と主張。解除については「そうされるべきだが、期日はいえない」と語りました。
ムシャラフ氏はまた、来年一月九日以前に総選挙(下院)と州議選を同時に実施すると表明。投票日については選挙管理委員会に委ねるとして、具体的な日程は明言しませんでした。同国憲法では、任期満了後六十日以内に選挙を実施しなければならず、下院は今月十五日に、州議会(全四州)は同二十日に任期満了を迎えます。
兼務している陸軍参謀長の辞職についてムシャラフ氏は、「私は文民大統領として宣誓する」と述べ、任期満了(十一月十五日)とともに、軍籍を離脱し、二期目を務めるとの考えをあらためて示しました。
野党の選挙運動については、「野党が法と秩序を侵害しないなら認められる」とし、「拘束中の野党活動家の解放、選挙参加を期待している」と語りました。非常事態宣言により現在、政党の集会や街頭行動は禁止されています。野党集会を前に、治安当局は多数の活動家、支持者を拘束しました。