2007年11月10日(土)「しんぶん赤旗」

米軍事予算52兆円

下院可決


 【ワシントン=山崎伸治】米下院は八日の本会議で総額四千五百九十六億ドル(約五十二兆円)にのぼる二〇〇八会計年度(〇七年十月―〇八年九月)の国防予算を可決しました。国防総省の要求額を三十五億ドル下回るものの、対前年度比9・5%、三百九十七億ドルの増額となります。

 焦点の一つとなっていたミサイル防衛計画には八十六億ドルを支出。ただポーランドへの基地建設費用八千五百万ドルは盛り込まれませんでした。

 戦争が長期化するなか兵士の待遇改善として、3・5%の賃上げを承認。二十六億ドルを家族の支援や精神科医・カウンセラーの増員などにあてます。

 同予算にはイラク、アフガニスタンの戦費は盛り込まれていませんが、地雷・奇襲対応車両(MRAV)と呼ばれる装甲車を製造するための予算百十六億ドルについては認めました。

 ブッシュ政権は戦費を含む総額千九百六十四億ドルの追加予算の審議を行うよう再三要求。民主党は今後、追加予算のうち五百億ドル程度を「つなぎ予算」として承認し、あとは政権側の動向をうかがう方針です。

 〇八会計年度の国防予算をめぐっては、上下両院で異なる法案を可決したため両院協議会で調整されていました。同年度の予算審議は年度が始まったにもかかわらず大幅に遅れています。

 国防予算採決では進歩議員連盟のリン・ウルジー、バーバラ・リー両共同議長、民主党大統領候補に名乗りを上げているデニス・クシニチ議員ら十三人が反対しました。上院で可決のあとブッシュ大統領に送付され、成立の見通しです。


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