2007年11月8日(木)「しんぶん赤旗」
給油 米に確認はウソ
赤嶺議員 政府の転用否定を批判
日本共産党の赤嶺政賢議員は七日の衆院テロ特別委員会で、海上自衛隊がインド洋で米空母キティホークに間接給油した燃料について、“旧テロ特措法違反となるイラク戦争への転用はない”としてきた政府のこれまでの説明が「二重のウソ」に基づくものだったと告発しました。
この問題では、すでに政府が、同空母への給油量について、約八十万ガロンだと知りながら、約二十万ガロンだと虚偽の説明をしていたことが発覚しています。
さらに政府は、給油した燃料について米側に確認した結果、“イラク作戦などへの使用はない”と説明してきました。
ところが、海上幕僚監部で担当課長だった寺岡正善元防衛課長は同日の参考人質疑(秘密会)で、問題が発覚した二〇〇三年五月当時、同空母の任務を米側に確認せず、その活動海域だけを根拠に、違反ではないと自分で判断したことを証言しました。
守屋武昌前防衛事務次官も、当時、自分が行った米側への確認とは、「疑惑を及ぼす可能性があるので、『そういうことはない』ときちっと言ってほしいと申し上げた」ことだと説明(十月二十九日)。日米間の口裏合わせにすぎなかったことも明らかになっています。
赤嶺氏は、これらの経過を指摘し、「『二十万ガロン』もウソ、『米側に確認した』というのもウソ。責任を明らかにすべきだ」と求めました。
福田康夫首相は「秘密会の内容は、私どもは知らない」と述べて、逃げの答弁をしました。
赤嶺氏は、防衛省の報告書(六日)もイラク戦争への転用はないと結論づけたが、その根拠の多くが、給油相手の艦船が活動していた「海域」などをもとにした「推測」にすぎないと指摘し、「元防衛課長の説明と同じだ。これで『転用はない』とはいえない」と批判しました。