2007年11月6日(火)「しんぶん赤旗」
“宇宙人”の通報先は?
信号検出想定 天文学者ら議論
“宇宙人”が発信したと思われる信号を国内で検出した場合、政府のどの機関に通報すればいいのか―。
兵庫県佐用町の西はりま天文台で四日に開かれた「SETI(セチ=地球外知的生命探査)研究会」で、天文・生物学者、技術者、市民グループら約七十人が話し合いました。
各国の天文台などで、地球外知的生命が電波やレーザー光による信号を発信している場合を想定し、電波や光の望遠鏡で受信する試みが続けられていますが、現時点では検出されていません。
検出した場合の対応として、国際天文学連合(IAU)が一九九一年に決めたルールでは、確証が得られるまで一般公表は禁止。発見者は、すべてのSETI関係者・研究機関に知らせ、連携して観測するとともに、関係する政府機関に通報するべきだとしています。
研究会では、「通報先」の具体的な政府機関をめぐって討論。現在のルールでは「特定の国家による情報独占の危険がある」「非政府組織を通じて、すみやかに全世界に公表すべきだ」などの意見が相次ぎました。今後、IAUにルール改定を提案することも視野に、検討チームで議論を進めることを確認しました。
二〇〇九年の世界天文年には、全国の天文台などで同時観測する「SETIキャンペーン」が計画されており、それまでに議論をまとめたいとしています。