2007年10月30日(火)「しんぶん赤旗」
牛の重大疾病「ヨーネ病」
政府、調査も補償もせず
紙議員に答弁書
政府は、日本共産党の紙智子参院議員が提出していた「ヨーネ病(牛の重大な疾病)問題に関する質問主意書」に対する答弁書をこのほど決定しました。このなかで、ヨーネ病の検査キット「ヨーネライザII」に関し、農林水産省が、疾病にかかっていない家畜でも陽性を示す可能性があることを都道府県に説明してこなかったことや、同キットの使用説明書にもその旨の記載がなされていないことを認めました。
「ヨーネライザII」をめぐっては、牛の血清検査時に、陽性でないのに陽性反応が出る「非特異的反応」が出ることが動物衛生研究所の調査で明らかになったにもかかわらず、農林水産省が速やかな説明をせず、隠ぺいを図っていた疑惑がもたれています。
紙議員は、この検査で陽性となった牛の血清を再検査することにより、非特異反応により殺処分された牛の実数調査を行うこと、再発防止のためにこの問題の全体を明らかにすることを求めてきました。
また、国と製薬会社による公的な説明や謝罪、国による被害農家に対する補償についてただしましたが、政府はこれに応えませんでした。
答弁書では、「ヨーネライザII」を製造販売している共立製薬が、非特異的反応を引き起こす原因物質アルブミンをカゼインに変更した「ヨーネライザIII」を製造することについて、十月十七日付で農林水産省が承認を与えたことも明らかになりました。