2007年10月28日(日)「しんぶん赤旗」
米連邦緊急事態管理庁
山火事対応でやらせ記者会見
【ワシントン=鎌塚由美】カリフォルニア州南部の山火事対策にあたる連邦緊急事態管理庁(FEMA)が、やらせ記者会見を開いていたことが二十六日に判明しました。
問題となったのは、二十三日にワシントンで開いた記者会見。ジョンソン副長官が出席し、定例会見のスタイルで記者から質問を受けました。
カリフォルニアの森林火災で避難した住民への対応で、「われわれは機敏に対応している」と強調したジョンソン副長官。「質問を喜んでお受けします」と記者の質問も歓迎し、「これまでのFEMAの対応に満足していますか」の問いに、「大変満足しています」と回答しました。
ところが、質問したのはFEMA職員だったことが判明。しかもFEMAは、会見開催の通知をわずか十五分前に行い、本物の記者は一人も参加していなかったことも明らかになりました。
FEMAといえば、ハリケーン「カトリーナ」(〇五年八月)でのお粗末な対応が米国民から厳しい非難を受けました。今回の山林火災への対応でジョンソン副長官は、「カトリーナの教訓を学んだ。今回は大変スムーズに行っている」と述べ、名誉挽回(ばんかい)を狙ったものの、またもやお粗末な事態が判明した形です。
FEMAを監督する国土安全保障省の報道官は二十六日、「このような誤りは、もってのほかで屈辱的だ」と遺憾の意を表明。再発させない決意を述べつつ、FEMA職員の処分の可能性にも言及しました。当のFEMAは二十六日、ジョンソン副長官の声明を発表。「この誤った判断を謝罪する」と、やらせ会見を謝罪しました。