2007年10月26日(金)「しんぶん赤旗」
75歳以上の高齢者医療
保険料 年に平均8万円超
政府試算より大幅増
小池議員が参院委で追及
来年四月から始まる後期高齢者医療制度で、七十五歳以上の保険料は全国平均で年八万六百円になることが二十五日、参院厚生労働委員会での日本共産党の小池晃議員の追及でわかりました。政府はいままで平均保険料を年七万四千四百円と説明してきましたが、制度実施を目前にして実際は大幅に保険料が上がることが浮き彫りになりました。
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小池氏の質問にたいして、厚労省の水田邦雄保険局長は、七十五歳以上の後期高齢者への医療給付費(自己負担分をのぞいた医療費)は一人あたり約八十万六千円(二〇〇八年度概算要求)になると答弁。小池氏が、「後期高齢者の保険料負担は給付費の一割だから、平均保険料は八万六百円になるということか」とただすと、水田局長は否定しませんでした。
実際の保険料は、医療給付費以外の費用も含めて計算されるため、全国平均は八万六百円以上になる恐れも出てきました。
後期高齢者医療制度の保険料は都道府県ごとに決められます。小池氏は、東京都の制度を運営する広域連合がまとめた試算(表)を提示し、「後期高齢者」の保険料といまの国保料とを比べると、特別区(二十三区)で最大一・六倍、市町村で一・三―一・四倍になることを紹介。「健康状態も収入も何も変わらないのに、七十五歳になったら一気に保険料が三割、四割増える。長生きするなということかという怒りの声は当然だ。こんなことがやられていいのか」と追及しました。舛添要一厚労相は「いろいろな声をたまわった上で、何か手を打つことができるか検討中だ」と答えました。
小池氏は、後期高齢者への医療給付の抑制や差別医療が起こる可能性なども指摘し、「問題だらけだ。四月からの実施を中止し、改めて考え直すべきだ」と批判しました。
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