2007年10月25日(木)「しんぶん赤旗」
全国学力テスト 結果公表
点数競争激化に懸念
文科省 都道府県別に序列
文部科学省は二十四日、今年四月に小学六年生と中学三年生全員を対象に実施した全国学力テスト(学力・学習状況調査)の結果を公表しました。都道府県別に正答率が示され、教育関係者から、自治体間・学校間の点数競争の激化を懸念する声があがっています。
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全員対象のテストは中学生は四十三年ぶり、小学生では初めて。二〇〇四年に当時の中山成彬文科相が「競争意識の涵養(かんよう)」のためとして導入を提唱したものです。
今回、国語と算数・数学の二教科で実施され、二百二十一万人が受けました。
全国の平均正答率をみると、基礎的知識を問うA問題は小学の国語と算数、中学の国語がいずれも82%、中学数学は73%でした。これに対し、知識を実生活や課題解決に「活用する力」を問うB問題は中学国語の72%を除き、すべて60%台前半でした。選択式の設問に比べ、記述式の正答率が低い傾向もみられました。
都道府県別の正答率は、大半が全国平均の前後5ポイント以内に入り、差はほとんどみられませんでした。しかし、一部には平均より8―15ポイント低いところもありました。国立、私立の平均正答率は公立に比べて8―23ポイント高くなりました。
生活習慣や学習環境についての質問紙調査では、過去の同種の調査に比べて国語や算数・数学が「好き」「役に立つ」と答えた子どもが増え、一日の学習時間や読書時間も増加しました。
文科省は、市町村別、学校別の公表については各自治体の判断に委ねています。
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