2007年10月25日(木)「しんぶん赤旗」
新幹線駅
建設中止が確定
滋賀・栗東 県民の運動が追い込む
滋賀県民の強い批判をあびていた新幹線「南びわ湖駅」(栗東新駅)建設問題で二十四日、同駅設置促進協議会の正副会長会議が県庁内で開かれ、建設計画を中止することが事実上確定しました。今月二十八日の促進協議会総会に嘉田由紀子知事が会長報告します。
会議では、報告の内容を嘉田知事が提案。新駅推進の姿勢を変えていない国松正一栗東市長も、「計画を凍結する報告内容は了とはできないが、知事が会長報告されるのには反対しない」と述べ、了承されました。
県と栗東市など六市が四月にJR東海と締結した新駅建設の「協定類に基づいた履行の諾否に関する覚書」では、「地元合意の得られない場合も協定類を終了する」と定めており、その期限は今月末でした。
報告は、「合意に至らず終了」という経過と、今後、周辺市が負担した一部工事費を県が代わって負担し、栗東市の駅予定地周辺の土地区画整理事業への対応は県が市と協議、県南部地域振興策を検討することなどを含んでいます。
駅舎建設費二百四十億円と周辺開発をすべて地元負担とする新駅計画にたいし、県民は繰り返し住民投票を求める直接請求など全県的な運動を広げ、事実上の中止に追い込みました。