2007年10月24日(水)「しんぶん赤旗」
「医療整備 国の責任で」
奈良妊婦死産問題
山下議員に厚労省
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厚生労働省の西川京子副大臣は二十三日の参院総務委員会で、今年八月、妊婦死産事件が発生した奈良県で、総合周産期母子医療センターを来年五月に開設させるため、「医師の確保の目途はたったが、看護師はまだ足りない。(政府の責任で医師・看護師確保に)鋭意、努力していきたい」と約束しました。日本共産党の山下芳生議員への答弁です。
奈良県では、昨年も出産中に意識を失った妊婦が県内で転送先がなく、出産後に死亡する事件が起こっています。厚生労働省は、リスクが高い妊産婦を二十四時間受け入れる総合周産期母子医療センターの整備を打ち出していますが、同県は未整備のままでした。
山下氏は亡くなった妊婦の夫から直接、「二度とこんな悲しい目にあう人をつくらないでほしい」と訴えられた体験を紹介しながら、「三度、悲劇を繰り返さないようにすることが政治の責任ではないか」と、政府に対策を迫りました。
西川副大臣は、「政府の責任を痛感している」と述べ、同県での総合周産期母子医療センターの開設を急ぐ考えを表明。山下議員が「県まかせにせず、国が責任を持つということか」とただすと、西川副大臣は「そうです」と明確に答えました。
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