2007年10月23日(火)「しんぶん赤旗」
英軍特殊部隊
イランに越境
英紙 イラクへの武器流入阻止か
【ロンドン=岡崎衆史】英紙サンデー・タイムズ二十一日付は、英陸軍の特殊部隊である特殊空挺(くうてい)部隊(SAS)がイラク側からイラン国境内への侵入を繰り返していたことを明らかにしました。英国防当局筋が認めたといいます。事実とすれば、英軍は、イラン側との大規模な戦闘に発展しかねない危険な作戦を行っていることになります。
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報道によると、SASの作戦は、イラクのイスラム教シーア派民兵組織とイラン人で構成される密輸組織によるイラン側からイラクへの武器持ち込みの阻止が目的とされます。作戦は、イラク南部のメイサン州とバスラ州に接するイラク・イラン国境沿いで実施され、英軍のほか、オーストラリアと米軍の特殊部隊が参加しているといいます。
この作戦中、九月には少なくとも六度の激しい戦闘が起き、その際、英軍などは相手側の十七人を殺害し、爆発物やミサイルなどを押収したとされます。
英米軍などの作戦に対し、イラン軍からのイラク内への迫撃砲攻撃も起きているといいます。
一方、サンデー・タイムズは、英軍が、七十人を超えるペルシャ語専門家によるイラン側情報の分析を行い、その内容が米国と共有されていると伝えました。
さらに、今年に入って米軍の偵察機七機が英国内を通過し、対イラン偵察飛行基地のあるキプロスとアラブ首長国連邦に向かったことも挙げ、米英両軍による対イラン情報戦が激化しているとしました。