2007年10月22日(月)「しんぶん赤旗」
クルド武装勢力と交戦
イラク国境、35人が死亡
トルコ軍
【カイロ=松本眞志】トルコ南東部で二十一日、同国軍と、分離独立を求めるクルド労働者党(PKK)の武装勢力が戦闘を展開し、双方で少なくとも三十五人が死亡しました。
大規模な交戦は、トルコ国会が十七日、PKKの拠点があるイラク北部への越境攻撃を承認して以降初めて。同国のエルドアン首相は軍トップと同夜(日本時間二十一日未明)、緊急に対応を協議することを明らかにしました。
戦闘が展開されたのはトルコ南東部のハッカリ州内だといわれます。同軍部がPKK掃討作戦で二十三人を殺害する一方、反撃を受けて十二人の兵士が死亡。PKKがトルコ兵を人質にとったとの情報もあります。
現地で活動するカタール衛星テレビ・アルジャジーラの記者は、トルコ国会の越境攻撃承認後、国境地帯でのトルコ軍の警戒活動が強化されるとともに、より挑発的になったとし、いつ戦闘が起きても不思議ではない状態だったと証言しています。
イラクのクルド人自治区ドホーク州ザクホでは同日、市民数千人がトルコ国会の決定に反対する抗議行動を実施。デモを組織した地元学生組合のバシル委員長は「トルコ国会の決定はイラクの主権を侵害し、テロリストの利益に奉仕するものだ。トルコ国民に対し、政府にいかなる軍事的措置もとらせないように圧力をかけることを呼びかける」と訴えました。
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