2007年10月19日(金)「しんぶん赤旗」
「経営者九条の会」
元横綱大鵬が講演
「経営者九条の会」準備会が主催する講演会が十八日、東京都文京区で行われ、第四十八代横綱大鵬で相撲博物館館長の納谷幸喜氏が、「勝てばそれでいいのか―戦争・平和・相撲 そしてこれから」と題して、みずからの信念、経験をユーモアを交え語りました。
司会者から「『戦争は二度と起こしちゃいけない』と発言されている大鵬さんです」と紹介された納谷さんは、戦後すぐの自身の経験を紹介しました。食糧難で「相撲部屋に入るまでお米のご飯を食べたことがなかった」こと、ロシア人の父を持ち「合いの子(混血児)、合いの子といわれ、苦労したことが相撲界の厳しさに耐える力になった」などを淡々と語りました。
さらに「相撲は相手に勝つ前に己とのたたかい」「相撲はただ勝てばいいのではない。ごまかしの勝利でなく、人間として正々堂々と勝たなくてはいけない」との相撲哲学を披露。会場には、大きくうなずく参加者の姿もありました。
いまの相撲界の不祥事については、「力士が亡くなり、世間を騒がせ本当に申し訳ない。今後、相撲界の改革をしていかなくてはいけない」との強い決意を語りました。
会場には、いっぱいの二百五十人あまりが真剣に聞き入り、ときには笑いが起こり、最後は大きな拍手に包まれました。