2007年10月19日(金)「しんぶん赤旗」
軍強制明記の方針確認
「集団自決」検定問題 教科書執筆者ら懇談
沖縄戦「集団自決」の教科書検定問題で、社会科教科書の執筆者らが十七日、第二回懇談会を東京都内で開きました。日本軍の強制を削除した検定意見の撤回という本筋を踏まえつつ、文部科学省への訂正申請をどう行うのかについて意見交換。日本軍の強制について明記する方針を確認しました。
懇談会には、「集団自決」の記述を修正させられた五社のうち、四社の執筆者や編集者ら二十五人が出席しました。九月二十五日の第一回懇談会で、訂正申請に向けて執筆者らが連携していくことを確認し、準備を進めてきましたが、沖縄県民大会後の新たな情勢を受け、改めて最善策をさぐる形となりました。
実教出版の執筆者で歴史教育者協議会委員長の石山久男さんは、訂正申請があれば受けつけるとする文科省の対応は「検定意見の撤回という本来の解決の道筋をうやむやにするもの」だと指摘。「あいまいな政治決着にくみするような形で訂正申請が行われてはならない」とのべました。これを受けて関係者らで議論しました。
懇談会後、石山さんは「沖縄県民の意向は検定意見の撤回が本筋だと強く打ち出している。それに配慮しつつ、状況を見て申請の提出時期を慎重に検討していくことで一致した」とのべました。
また、検定後の出来事として県民大会の開催などの新しい動きや、日本軍の強制を裏付ける新たな証言が出てきたことを訂正申請で加筆することもあり得るとしました。
訂正申請を出すにあたっては誤解が生じないよう、執筆者の考えを声明として発表することも確認しました。申請時期は各社ばらつきはあるものの、今月下旬から十一月上旬に提出する見通しです。