2007年10月19日(金)「しんぶん赤旗」
印・ブラジル・南ア首脳会議
先進国優位に異議
IMF体制批判 南南協力訴え
【ニューデリー=豊田栄光】インド(I)、ブラジル(B)、南アフリカ共和国(SA)三カ国は十七日、南アの首都プレトリアで第二回IBSA首脳会議を開き、先進国優位の国際経済体制に異議を唱え、途上国同士の「南南協力」の推進、国連改革の必要性などで一致しました。三カ国はいずれも経済成長が著しい新興国で、国連安保理常任理事国入りをめざしています。
三カ国首脳は、停滞している世界貿易機関(WTO)ドーハラウンド農業交渉について、途上国の要求を反映するよう要求し、「全加盟国がバランスのとれた公正な結果をともにめざさなくてはならない」(共同宣言)と訴えました。ブラジルのルラ大統領は「交渉を一握りの先進国の問題にしてはならない」と語りました。
また共同宣言は、国際通貨基金(IMF)を軸にした米国中心の国際金融体制の改革を主張し、持続的な経済発展のために、南南協力を深めていくこと、そのためにIBSAが立ち上げた基金の活用を重視していくことを確認しました。
政治課題では、期限を定めた核兵器廃絶交渉の開始を訴え、テロとのたたかいでは国連憲章や関連国際法に沿った国際協力を強調しました。
IBSAの枠組みは二〇〇三年の閣僚フォーラム設置から始まり、昨年ブラジルで、第一回首脳会議が開催されました。議会、経済、教育、保健衛生、学術文化など多くの分野での協力を進めています。
インドのシン首相はIBSA協力を「国民(レベルの)運動にしていくべきだ」と語り、その成功は「すべての途上国の模範となる」と述べました。