2007年10月18日(木)「しんぶん赤旗」

主張

東大阪市長選

新しい市政前進の好機として


 人口五十一万人の大阪東部の大都市、東大阪市の市長選挙が二十一日告示されます(二十八日投票)。選挙は去る九月の市議会で、自民、公明と民主系会派の一部が、日本共産党員でもある長尾淳三市長(当時)にたいして、根拠のない不信任決議を強行したことによるものです。市民は不信任を支持せず、その後おこなわれた市議会議員の選挙では日本共産党など不信任決議に反対した勢力が前進しました。市長選挙は不当な不信任をはね返し、新しい市政を前進させる絶好の機会です。

長尾さんでええやんか

 自公などによる不信任の強行から一カ月あまり、いま東大阪市民の間では、「不信任なんでやねん、市長は長尾さんでええやんか」の声が急速に広がっています。今月はじめ市内で開かれた、不信任に抗議し市長選での長尾氏の再選をめざす市民の集いには、千五百人が参加しました。

 長尾氏は、昨年七月四年ぶりに市長に返り咲いて以来、巨額の上下水道庁舎建設などのムダづかいをやめさせ、長年にわたって市政をむしばんできた同和行政にメスを入れて、介護保険料の減免や乳幼児医療への助成を実現するなど、「市民が主役」の市政を前進させてきました。自民、公明は、長尾市長が提案した予算の99・9%に賛成しました。一方的な不信任の強行はまったく不当であり、大義も道理もありません。

 地方の政治は首長も議員も市民の選挙で選ばれます。議会による首長不信任の議決は、「特に、慎重でなければならない」というのが地方政治の常識です。数を頼んだ一方的な不信任の議決は、市長を選んだ市民への挑戦そのものです。

 しかも市長不信任が強行されてから二十日足らずでおこなわれた市議会議員の選挙では、自公がいずれも得票を大幅に減らし、それにたいして日本共産党が得票を大幅に増やして五議席から九議席へと大幅に躍進、不信任に反対した他会派の議員も高位で当選しました。市長不信任にたいする市民の審判は明白で、議会の不信任決議が間違っていたことは明らかです。

 長尾氏は市民の集いで、「『市長不信任は間違い』『暮らしを守る市政を前進させてほしい』という市民の良識の力を実感しています」とのべ、見直しへ踏み出した同和行政を終結に向かわすことや、市民向けの施策の充実など、「新しい東大阪市政をさらに一歩前へ進める」ことを力強く訴えました。

 不信任決議を強行した前市議会議長を擁立する自公陣営の政策は、長尾市政が削減した上下水道庁舎の建設を明記する一方、同和行政の終結には一言も触れません。もっぱら長尾市政を「共産市政」と非難するのは、不信任決議が党略的なものだったことを示すだけです。市長選の対決構図は鮮明です。長尾氏の再選は、文字通り不当な不信任をはね返し、利権政治の復活を許さず、新しい市政を前進させることになります。

全国が注目する市長選

 いま全国の自治体で、自公政府が「構造改革」の名で進めている地域切り捨て政策に反対し、地域と住民の暮らしを守るたたかいが前進しています。自公の政治に国民がきびしい審判を下した参院選挙のあとも、各地で住民のたたかいが広がり、住民の負担軽減などを求める地方議会の決議も相次いでいます。

 五十一万東大阪市民が手を携えて良識の力を発揮し、政党間の力関係を転換して新しい市政を前進させるかどうか―市長選の結果は、全国が注目しています。


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