2007年10月17日(水)「しんぶん赤旗」
同和関係企業再委託料の返還を
東大阪市民が住民監査請求
東大阪市が同和関係企業に業務に見合わない高額の再委託料を支払ってきたとして、東大阪市民四人がその返還を求めて十六日、東大阪市監査委員に住民監査請求しました。支払いは、長尾市長が二〇〇七年度予算で打ち切りました。
問題の企業は、ナガセ綜合警備保障(本社・東大阪市)。市営住宅の管理・運営業務を委託された株式会社東大阪住宅公社から再委託された企業の一つです。同公社は、市営北蛇草住宅の管理・運営の再委託料として、ナガセ綜合警備保障に毎年二千数百万円を支出。市はその原資として同公社に同額の公金を支出してきました。
市民らが返還を求めているのは、同公社が東大阪市の全額出資で設立された一九九六年から、委託料が削減される前の二〇〇六年度までの十年間分で、二億数千万円にのぼります。〇七年度は長尾淳三市長のもとでナガセ綜合警備保障への管理委託費二千五百万円が削減されています。
ナガセ綜合警備保障が同公社に提出した北蛇草住宅の業務報告書によると、〇五年度は二十三件しか特記事項がありませんが、〇六年度は百五十五件に跳ね上がっているうえ、百二十三件がエレベーター清掃など、エレベーターにかかわるものでした。「北蛇草住宅の住民は口をそろえて『エレベーターのそうじは誰もしないから、みんなでやっている』と言っている」と請求人は再委託の不透明な実態を指摘しました。
また、請求した市民らは「同市内部の監査委員による監査では、適切かつ十分な監査が期待できない。監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査を求める」としています。
代表監査請求人の鈴木良さん(73)=元立命館大学教授=は「市民の税金がどういうところに使われるのか、市民には知る権利がある。同和利権への市民の関心は高まっており、今回の住民監査請求でどのような経緯でこのような同和行政がおこなわれてきたのかがわかることを期待している」と語りました。