2007年10月13日(土)「しんぶん赤旗」
将棋新人王に村山四段
第38期 中村四段下し初優勝
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将棋の若手最強棋士・新人王の座を争う第三十八期将棋新人王戦U―26(しんぶん赤旗主催)決勝三番勝負の第二局が十二日、東京・将棋会館でおこなわれ、後手の村山慈明(やすあき)四段(23)が中村亮介四段(22)に一一六手で勝ち対戦成績二勝〇敗で優勝し、初の新人王となりました。
村山四段は今期新人王戦トーナメントで前期準優勝の横山泰明四段ら並みいる強豪を倒して初の決勝進出をし、プロ入り四年で初タイトルを獲得しました。
村山四段はこれまで公式戦では中村四段に二敗していましたが、対局前に「三番勝負は借りを返す場」と予告した通りとなりました。
村山新人王の話 今まで結果を出せていなかったので、今回、一つ結果を出せてうれしいです。
略歴 東京都出身。桜井昇八段門下、二〇〇三年十月四段。
将棋新人王戦決勝 第2局
村山四段、熱戦制す
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村山慈明四段が中村亮介四段に先勝して迎えた第三十八期将棋新人王戦U―26決勝三番勝負第二局は十二日、東京・将棋会館で行われ、午後五時五十一分、先手の中村四段が投了し、村山四段が勝利しました。
最近好調の村山四段はこの勝利により、連勝記録を10に伸ばしました。
午前十時、立会人の大野八一雄六段、小木曽陽司赤旗編集局長代理らが見守るなか、対局開始。
戦型は、第一局と同じく中村四段が四間に飛車を振り、村山四段が玉を堅固な居飛車穴熊に囲う展開となりました。
午前は、互いにがっちりと駒組みを進めていき、昼食休憩までに41手が進行。9筋の端歩を突き合い、駒組みはほぼ飽和点に達しました。立ち会いの大野六段は「この形は互いに研究会などでよく研究しているはず」といいます。
午後は、5筋から7筋にかけて中盤の小競り合いが始まりましたが、互いに局面の有利な展開を求めて長考の応酬となりました。
65手目、中村四段が▲5三歩と打ってから局面がほぐれだし、たたかいは1筋もからめて全局に広がりました。金銀交換の後、先手の角が9筋に押し込められ、控室では「穴熊囲いにもぐっている村山四段が急に楽になった」という声が出ました。
その後は1筋から攻め込んだ村山四段が危なげなく寄せ切り、初の新人王の座を手にしました。
村山四段の話 中盤では大変難しいとおもっていましたが、相手の角をそっぽに追いやって良くなりました。
中村四段の話 完敗でした。
▲7六歩△3四歩▲1六歩△4二玉▲6六歩△8四歩▲6八飛△6二銀▲3八銀△3二玉▲7八銀△5四歩▲6七銀△5二金右▲5八金左△5三銀▲4六歩△3三角▲3六歩△8五歩▲7七角△2二玉▲3七桂△4四歩▲6五歩△3二金▲4八玉△4三金右▲6六銀△7四歩▲3九玉△1二香▲4七金△1一玉▲5六歩△2二銀▲2八玉△1四歩▲2六歩△9四歩▲9六歩△7三桂▲6九飛△4二角▲5五歩△同歩▲同銀△5四歩▲6六銀△6四歩▲同歩△同銀▲6五歩△8六歩▲同歩△5三銀▲7五歩△8四飛▲5五歩△6四歩▲同歩△同銀▲5四歩△同金▲5三歩△同銀▲1五歩△6五歩▲5五銀△7五歩▲5四銀△同飛▲1四歩△7六歩▲8八角△8七歩▲5五歩△7四飛▲9七角△1六歩▲8五歩△同桂▲8六角△6四銀▲2五桂△7七歩成▲5四歩△1七銀▲同香△同歩成▲同玉△7六飛▲5三歩成△1五香▲2七玉△5三角▲6四角△同角▲6五飛△4六角▲3七銀打△7四角▲4六銀△6五角▲5六歩△1七飛▲2八玉△5六角▲同金△同飛▲2七金△4六飛▲1七金△同香成▲3七玉△5六金(投了図)まで一一六手で村山四段の勝ち
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