2007年10月8日(月)「しんぶん赤旗」
自己破産の原因
“生活苦”60%超
8年で45%から急増 日弁連調査
生活苦や低所得が原因の自己破産が増えている―。そんな調査結果が日本弁護士連合会(日弁連)の消費者問題対策委員会(吉岡和弘委員長)のまとめで分かりました。
最高裁判所のまとめによると、二〇〇六年の一年間で自己破産した人は、約十六万六千人になっています。
日弁連は、これまで一九九四年、九七年、二〇〇〇年、〇二年、〇五年の五回にわたって破産事件の確定記録を調査してきました。
今年二月にまとめた「2005年破産事件記録調査」(有効データ、四十七地裁、千百四十八件)によると、多重債務に至った原因について調査(複数選択)したところ、「生活苦・低所得」を挙げたのが九七年に45%だったのが、〇五年は62%に増えました。
同様に「失業・転職」は10%から18%、「給料の減少」は6%から12%、「教育資金」は4%から8%にそれぞれ増えました。
申立者の年代構成を見ると、二十歳代は12・8%。三十歳代、四十歳代、五十歳代を合わせると、約七割にのぼり、働き盛り世代が借金にあえいでいることがうかがわれます。
同対策委員会は、「『生活苦型破産』の傾向が進展して、深刻化している状況がよく分かる」と分析しています。また、「住宅購入」が原因で破産した事例が5%から11%に増加。同対策委員会は「収入の減少により住宅ローンが支払いきれなくなって多重債務に陥った」と見ています。
〇五年に破産した債務者の平均月収は十一万六十一円。九四年調査からの推移をみると、「月収〇円から五万円未満」という低収入者の割合が九四年は30%だったのが、〇五年は33%に増加しています。
破産した債務者の職業で増加傾向にあるのは、非正規労働者の「パート・アルバイト・期間社員」です。九七年の15%から〇五年は20%になっています。「無職」も26%から28%に増えています。