2007年10月7日(日)「しんぶん赤旗」
不払い生保 自民に献金
大手4社
6年で2億1500万円
業務停止命令後も継続
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国民に保険金を払わず、自民党に献金――。保険金や給付金の巨額の不払いが問題になっている生命保険の大手四社が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に二〇〇一年から六年間で約二億一千五百万円もの献金をしていたことが六日、本紙の調べで明らかになりました。
国民政治協会が総務省に提出している政治資金収支報告書によると、献金額は最大手の日本生命が最高額で七千六百三万円。第一生命が五千百九十三万円、住友生命が四千百四十五万円、明治安田生命(〇四年に合併)が四千六百七万円の献金を行っていました(表参照)。
金融庁が〇五年二月に、明治安田生命に対し、最初の業務停止命令を出してからも大手四社は献金を続けていました。
生命保険各社は、金融庁からの調査報告命令に応じ、二〇〇一年度から五年間分の不払い結果を五日に発表。三十八社で不払い件数は確定しただけで累計百二十万件、金額にして約九百十億円になります。
うち日本生命、第一生命、住友生命、明治安田生命の大手四社だけで、約七十二万六千件、約五百九十七億三千万円にのぼり、不払い額は全体の65%を占めています。
生保協会の会長でもある日本生命の岡本圀衛(くにえ)社長は五日、「お客さまの立場に立った体制ができていなかった」とのべましたが、今回の問題では、「請求がなければ払わない」といった生保業界全体の体質とともに、国や金融庁の監督責任が厳しく問われています。
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