2007年10月6日(土)「しんぶん赤旗」
薬剤師は過労死
スギヤマ薬品に賠償命令
名古屋地裁
ドラッグストア大手、スギヤマ薬品(名古屋市千種区)の愛知県豊田市内の店舗で薬剤師として働いていた杉山貴紀さん(24)=当時=が、入社後わずか一年二カ月後に一次性心停止により急死したのは過労死であるとして、両親が会社側を相手取って起こした裁判で、名古屋地裁(多見谷寿郎裁判長)は五日、杉山さんの訴えを認め、会社側に八千二百九十八万円の損害賠償を命じました。
判決は、死亡前一カ月間に二日しか休みが取れず、残業が百三十八時間に及んでいたと認定。死因についても、会社が主張する窒息死ではなく、過労による致死性不整脈であるとしました。
杉山さんの父・正章さん(66)は「薬剤師、ドラッグ業界の労働実態に警鐘を鳴らす訴訟だった。判決が、今でも苦しんでいる薬剤師たちの役に立つことを願っている」とあいさつしました。母・ふじ江さん(59)は「過労死と証明されうれしい。皆さんのご支援に感謝する」と述べました。
水野幹男弁護士は「死亡と労働実態の因果関係と会社の責任をすべて認めた。多くの過労死裁判をたたかってきた成果」と報告しました。
遺族、親族、支援者ら約五十人が集まった報告集会では、「スギヤマ薬品は控訴せず、原告に謝罪せよ」の要請を強めることを確認しました。
杉山さんが死亡したのは二〇〇一年六月七日。豊田労働基準監督署長は〇四年十月十八日に業務上認定を行いましたが、会社側は認定を誤りだと主張していました。