2007年10月6日(土)「しんぶん赤旗」

英郵便労働者 13万人スト

自由化後、人減らし・賃金抑制


 【ロンドン=岡崎衆史】英郵便事業会社ロイヤル・メールの労働者が四日正午、賃上げと雇用の確保を求めて四十八時間全国ストに入りました。ロイヤル・メール労働者が加盟する通信労組(CWU)が実施。同労組によると十三万人が参加しています。

 CWUは経営陣が要求を拒否した場合、八日未明から再び四十八時間ストに入る予定です。

 労組側は、(1)経営陣が提示した2・5%の賃上げでは全国の平均賃金上昇率を下回り、生活に必要な賃金が得られない(2)計画されている事業縮小案は四万人の人減らしにつながる―と主張しています。

 CWUのビリー・ヘイズ書記長は四日に声明を出し、経営陣が交渉解決の姿勢を示さないことに「強い失望感」を表明しました。

 同書記長はまた、「政府所有企業にもかかわらず、彼らは何の関心も示そうとしない」と批判。ロイヤル・メール側に問題解決のために主導性を発揮するよう求めました。

 ロイヤル・メールは、「労組指導部は会社が直面している課題を理解しようとしない」として、ストを非難する声明を出しました。

 同社は、英政府が全株を保有するロイヤル・メール・グループ社の郵便事業部門です。英政府は昨年一月、三百五十年に及ぶ郵便事業の独占をやめ、自由化。

 ロイヤル・メール・グループは、自由化に伴う競争激化を受け、競争力をつけるための合理化の名の下、配達事業の縮小による人減らしや賃金抑制を進めてきました。


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