2007年10月5日(金)「しんぶん赤旗」
元兵士の「戦争加害」DVD
「未来へつなぐ証言」
日中友好協会が制作・発売
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日本中国友好協会が企画・制作したDVD「泥にまみれた靴で―未来へつなぐ証言 侵略戦争」が発売されています。証言できる戦争体験者が亡くなっていく現実を前に、「元兵士たちは最後に何を訴えようとしていたのか」―そこに目を向け直し、これまで撮りためた映像から選び出したのが今回のDVDです。
同協会は日本軍による加害の事実を元兵士たちの証言で明らかにしてきました。一九九一年、九五年、二〇〇一年に作品を発表。そのなかで証言した八人の元兵士のうち、七人がすでに亡くなっています。被害の実態を語った中国人三人も全員が亡くなりました。
「殺すときはこうやってやるんだといって、赤ちゃんの胸の上を…醜く泥にまみれた靴で…踏み殺しました…」。DVDのタイトルにもなった加害兵士の証言です。
元兵士たちは振り返ります。「人道について理解していると思っていたが、現場(戦場)に行ったら吹っ飛んでしまった。考えさせない雰囲気だった」「人間が変わったというより、人間でなくなった。一線を踏み越えた」
ナレーションを担当した東京俳優生活協同組合所属の岡部政明さんは、「口をつぐんでしまっても断罪されることはないのに、それでも証言してくださった。その姿にものすごく胸打たれた」と話します。「作品に触れ、人間の勇気というのは尊くて重く、しかも人間である限り勇気と正義は存在するんだと確信を持たされた。作品に携わることができて幸せです」
元兵士たちは戦争のない未来に向け、メッセージを贈ります。「かつてこんなことがあったんだと知ってほしい」「見識と見破る力を持ってほしい」「人を愛することができる、そんな人になってほしい」と。
定価三千百五十円。問い合わせ先=日本中国友好協会03(3234)4700
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