2007年10月5日(金)「しんぶん赤旗」
平和と協力の半島めざす
6カ国協議進展に呼応
共同の役割追求
南北共同宣言
【ソウル=面川誠】韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日・朝鮮労働党総書記が四日に発表した「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」は、六カ国協議の合意履行が進む中で発表されました。宣言は、二〇〇〇年の第一回南北首脳会談の共同宣言には盛り込まれなかった軍事・安全保障分野での協力を明記。北東アジアの新しい秩序を見越して、韓国と北朝鮮が共同で果たせる役割を追求しようとする意向が表れています。
南北間で軍事・安保分野で広範囲な合意に至ったのは、一九九一年十二月の「南北間の和解と不可侵および協力、交流に関する合意書」以来。軍事的信頼醸成など、今回の合意内容と重なるものがいくつもあります。
共通しているのは、北東アジアの対決の秩序が平和と協力の新しい秩序に転換する、という期待が高まっていることです。
九一年当時、ソ連・東欧諸国の体制が次々と崩壊し、韓国がそれらの国々と相次いで国交を樹立。日本と北朝鮮の国交正常化交渉も同年に始まっています。しかし、北朝鮮の核開発の表面化で朝鮮半島情勢は再び緊張が高まり、九一年の合意も棚上げ状態となりました。
当時と比べると、現在も北朝鮮の核開発で朝鮮半島が大きな問題となっているのは同じです。違うのは、六カ国協議という多国間協議の枠組みが機能し、核問題などの地域の不安定材料と各国間の関係正常化を包括的に前進させていく合意文書が履行されつつあることです。
また、朝鮮半島では第一回南北首脳会談からの七年間、南北が交流と協力の実績を積み重ねてきたことも、新しい状況をつくり出しています。
盧大統領は三日の夕食会で、「(朝鮮半島は)躍動的に発展している北東アジアの中心で新しい機会を迎えている」と指摘。「われわれはともに繁栄を享受しながら、北東アジアに協力と統合の秩序をつくる上で主導的な役割を果たしていけるだろう」と語りました。
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