2007年10月5日(金)「しんぶん赤旗」
女性の地位向上へニュージーランドと日本では…
先月二十八日、都内で「男女共同参画の推進をめざして―ニュージーランド(NZ)と日本の対話―」というシンポジウムが開かれました。主催は内閣府男女共同参画局と駐日ニュージーランド大使館です。
NZは、一八九三年に世界初の女性参政権を実現した国です。一九八四年には女性政策省を設置するなど、女性の地位向上施策に力を入れています。現在は、首相、国会議長、最高裁判所長官の「三権の長」がいずれも女性。国会議員の三分の一、内閣の四分の一が女性です。女性が政治および経済活動に参加し、意思決定に参加できているかを測るジェンダー・エンパワーメント指数(GEM)では、七十五カ国中十三位と高位にあります(日本は四十二位)。
民間企業では、女性管理職の割合は日本と同様低いといいますが、公的部門での女性進出は、明らかに日本の先をいっています。
何がそのカギなのか。NZ側からは「政府が目標に責任を持ち、人材の推挙など具体的に取り組むこと」「透明性を確保し、達成度を監視すること」があげられました。
日本政府の「二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%に」との目標が話題にのぼると、NZからの参加者が「大変興味ある目標だ。50%にすればよいのに」と首をひねる場面も。日本側は苦笑いでした。
折しも、所信表明演説で「男女共同参画社会の実現」を強調した福田内閣が発足したばかり。政府は、諸外国の先進例にも学び、前進への具体的な手だてをとってほしいと思います。(坂)