2007年10月4日(木)「しんぶん赤旗」
バイク便運転者は労働者
厚労省通達 労働法を適用へ
バイクや自転車で書類などを運ぶ運転者について、厚生労働省はこのほど、一定の条件を満たせば労働法が適用される労働者として扱うべきだとする通達を出しました。
これまでは個人事業主扱いされ、事故に遭っても労災保険が出ないなど生活や権利が守られていませんでしたが、労働法が適用されれば労災保険や雇用保険にも加入できるようになり、生活や権利を守るうえで大きな力となるものです。
バイクなどで書類などを運ぶ業者は二百二十八社。軽四輪によるものも含めて軽貨物の配達業者は十五万四千事業者にのぼりますが、個人で「運送請負」の契約を結んで仕事をしている人が多数いるとみられます。
会社の指揮命令を受け、出勤日なども拘束されるなど個人事業主といっても名ばかりなのが実態です。しかし、労働基準法など労働法は適用されず、社会保険にも加入できないため、休んでも休業補償もありません。給与は歩合制のため不安定で、燃料代や携帯電話などの経費も自己負担になっています。
運転者らが「会社に拘束され、指揮命令で働いているのに個人事業主扱いされるのはおかしい」として、労働組合をつくって会社に待遇改善を求めるとともに、厚労省に対して労働法の適用を求めて運動してきました。
厚労省は、運転者の実態を調査し、(1)仕事のやり方の指揮命令を受けている(2)勤務日・時間が指定され、出勤簿で管理されている(3)仕事を他の人に委託できない(4)欠勤すれば報酬が減らされる―として、「使用従属性」があると判断しました。
個人事業主といっても独自の商号も使えず、兼業もできないことから、事業者とみなすこともできないとして、総合的にみて雇用された労働者にあたるとしました。バイク便各社は、条件を満たす運転者の労働条件について労基法を厳守したものに改めることや、労災保険はじめ社会保険の適用など待遇改善が求められることになります。