2007年10月1日(月)「しんぶん赤旗」
原発、地震対策見直しを
神戸でもシンポ
地震による原発事故と安全性が問われるなか兵庫県震災復興研究センターほか七団体は二十九日、神戸市内で、最近の地震と原発問題を考える講演とシンポジウムを開きました。十都府県から八十人が参加しました。
講演した石橋克彦神戸大学都市安全研究センター教授は、原発建設の耐震設計審査に関する原子力安全委員会の新指針(昨年九月)について「新指針を含む指針体系・審査体系を抜本改革し、うみを出し切らなければダメだ」と批判。新指針では既存の原発がどれも運転中止にならないようにされていると指摘。国がいままで絶対安全といっていた原発にリスクがあると認めながら存続させることに、住民が怒っているとのべました。
また、いったん原発建設が電源開発基本計画の中に組み入れられると、どんなことをしてでも建設がすすめられ、危険な立地条件でも耐震設計技術でカバーできるという考えはおごり高ぶったものだと批判しました。
大辻友雄神戸大学名誉教授が原子力発電の専門家の立場から、新潟県中越沖地震での原発被害・トラブルについて報告。肝心の原子炉の点検がまだされていないと指摘し、既存の原発の耐震検討結果についても紹介しました。
医師の青木正美氏は、首都直下地震で予想される被災者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ症状などについて報告しました。