2007年9月30日(日)「しんぶん赤旗」
国連討論
「過剰な暴力」と批判
ASEANの首脳
【ニューヨーク=鎌塚由美】二十八日の国連総会一般討論で演説した東南アジア諸国の首脳は、ミャンマー軍政による市民への暴力行使を厳しく批判しました。
フィリピンのアロヨ大統領は、現在の国際社会は、ミャンマー情勢を「重大な根拠と正当な理由」で注目していると指摘。ミャンマー軍政に対し「民主主義の道に戻り、今すぐアウン・サン・スー・チー氏を解放し、民主化と憲法制定プロセスに国民民主連盟を含むすべての政党を関与させるときだ」と訴えました。
マレーシアのアブドラ首相は、ミャンマーに対する東南アジア諸国連合(ASEAN)の責任について言及。「ASEANは、ミャンマーが国民和解と民主主義に向かうよう、できることはすべてやってきた」と強調しました。
その上で「彼らが、そうしなかったことが現在の状況をもたらした」と述べ、ミャンマー軍政を厳しく批判。市民に対して過剰な暴力が行使されたことに「非難」を表明しました。同首相もスー・チー氏の解放を呼びかけました。
ミャンマーも加盟するASEAN諸国は、二十七日にニューヨークで開いた非公式外相会議で、ミャンマー政府への対応に「嫌悪感」を表明する議長声明を出しました。