2007年9月29日(土)「しんぶん赤旗」
「政治とカネ」 疑惑の閣僚こんなに
「政治とカネ」の問題をめぐって、「問題が指摘されたら説明責任を徹底的に尽くす」との首相談話を決定した福田康夫内閣。ところが、福田氏みずからも不明朗な会計処理が明らかになったのをはじめ、説明責任がある閣僚がズラリです。
渡海文科相
違法献金の疑い
唯一の初入閣、渡海紀三朗文部科学相は、代表を務める選挙区支部が、二〇〇三年と〇五年の衆院選の公示日当日や前日に、国の公共工事を受注していた建設会社から計二百万円の献金を受けていたことがわかりました。
公職選挙法は、国や地方自治体と契約関係にある企業が国政選挙や地方選挙に関連して献金することを禁じています。政治家の側にも、寄付を勧誘したり、受け取ることを禁じています。これは、対価性があまりに明白で、行政の力をゆがめることを防ぐための規定です。
石破防衛相
規定超える寄付
石破茂防衛相が代表を務める資金管理団体と選挙区支部は、福田内閣が事実上発足した二十五日に、収支報告書を訂正しました。
石破氏本人が、資金管理団体に政治資金規正法の規定を超える千五十万円の寄付をしていたもの。
町村官房長官
政治資金で建物
外相から官房長官に横すべりした町村信孝氏の資金管理団体は、〇六年の収支報告書に「資産」として、北海道江別市の自宅の隣にある百五十三平方メートルの「建物」を一千万円と報告しています。〇一年分の報告書には、建設費一千万円を記載し、以後、毎年一千万円の資産として報告してきたもの。
運転手を務める公設秘書夫婦が住んでいますが、現在の所有者は町村氏本人。政治資金で「秘書宅」を建て、自分の所有物にしたことになります。
渡辺行革相
親族会社に税金
代表を務める政党支部が、政党助成金を使って家賃などを親族会社に十一年間で、八百三十万円を支払っていたのは、渡辺喜美金融・行革担当相。国民の税金が親族会社に流れた格好です。
冬柴国交相
談合企業が献金
公明党の冬柴鉄三国土交通相の資金管理団体と政党支部は、市長や自民党府議が関与した大阪府枚方市の官製談合事件で社長が逮捕された建設会社から計三十万円の献金を受け取っていました。社長が談合の共犯容疑で逮捕された後の今年六月、返還し、収支報告書を訂正しています。
相次ぐ訂正
このほか、収支報告書や資産報告書の訂正をおこなった閣僚は、次のとおりです。
岸田文雄沖縄・北方担当相 〇三年と〇四年の政治活動費約一千万円分の領収書のあて名が資金管理団体名でなかった。
額賀福志郎財務相 一九九七年に新設した選挙区支部事務所建物を十年間にわたり不動産未登記。
高村正彦外相 選挙区支部が〇五年の収支報告書で、高村氏本人への「寄付」として記載していた九百万円を「活動費」と訂正。
上川陽子少子化担当相 〇〇年六月の初当選以来の資産報告書で、「九百六十八万円」などの貸付金の記載漏れ。
若林正俊農水相 農水省の補助金交付団体代表が、若林氏の関連政治団体代表。献金も。
増田寛也総務相 岩手県知事時代の政治団体が、資金管理団体に寄付した百万円が記載漏れ。
甘利明経済産業相 代表を務める選挙区支部が四十七万円分の領収書の写しを紛失。
いずれも「訂正」したから問題ない、ではすみません。
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