2007年9月26日(水)「しんぶん赤旗」
「成績で予算格差」中止
東京・足立 学力テスト不正受け
共産党質問に
学力テストでの不正や、結果によって学校予算に差をつける方針が問題となっている東京都足立区の斎藤幸枝教育長は二十五日、区議会本会議で、学校ごとの順位の公表や予算に格差をつける方針を改める考えを明らかにしました。日本共産党の浅子けい子議員の一般質問に答えたものです。
足立区では、昨年十一月、学力テストの成績で予算に差をつける方針を明らかにし、今年度予算から実施しています。
しかし、昨年四月の区独自の学力テストで、一位となった小学校で、三人の児童の答案を採点からはずしたり、校長らが誤答を指さししたりするなど不正が行われていました。さらに今月になって、二〇〇五年の都の学力テストの際、区教委が校長会で、校長に事前に試験問題を配布していたことも明らかになりました。
浅子議員は、テスト問題の事前配布について、「不正を誘発した区教委の責任は免れない」と追及。学校選択制と学力テストの実施・公表が、学校間、クラス間、児童・生徒間の格差を生み、拡大していると指摘し、「学力テストの不正や教育のゆがみの原因は、区教委の過度の競争をあおるやりかたに原因がある」として、▽学力テストの結果の公表や結果で予算に差をつけることをやめること▽点数と順位のみにこだわる学力テスト自体をやめることを求めました。
斎藤教育長は、試験問題の事前配布について区教委事務局の一定の管理運営責任は避けられないと答弁。数値に基づく順位の公表や、学力の伸び率などで配布予算に配慮することについては「学校間の過度の競争を助長すると指摘されているので、改めることを前提に検討していく」と明らかにしました。しかし、学力テストそのものの中止は「考えていない」とのべました。
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