2007年9月25日(火)「しんぶん赤旗」

ハマスとの対話用意

ファタハ 対立打開へ幹部表明


 【カイロ=松本眞志】パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの幹部カドゥーラ・ファリス氏は二十二日、十一月に予定される米主導の中東和平国際会議の後に、イスラム武装抵抗組織ハマスとの対話を行う用意があると発言しました。ヨルダン紙アッドストール二十三日付が報じたものです。

 ファリス氏は、ファタハとハマスがパレスチナ住民から一定の支持を得ている主要勢力だと強調し、「国際会議の成功、失敗にかかわらず、両者による対話は避けられない」と語りました。

 なおファリス氏は、「国際会議でパレスチナ国家樹立の合意が行われた場合、ハマスは現実を直視して自らの立場を譲歩するべきだ」と主張。ハマスに対してイスラエルを承認し、過去にPLOがイスラエルと締結した合意の順守などを求めました。

 ファタハはこれまで、アッバス議長を中心に、六月のハマスによるガザ地区武力制圧を「クーデター行為」だと非難し、米国やイスラエルの後押しを受け、ハマスがガザ支配を停止するまで対話の再開はないとの立場をとってきました。今回の一連のファタハ幹部の発言は、パレスチナの分裂を促す米・イスラエルの意図を退け、こう着状態にある両派対立の打開に向けてハマス側への歩み寄りを示した点で注目されます。

 一方、ファタハの幹部で対イスラエル交渉の責任者を務めるサイーブ・アリカット氏は同二十二日、ハマスの実効支配するガザ地区を、イスラエルが「敵性存在」と決定したことについて、「中東和平プロセス再開の努力を脅かすものだ」と批判しました(パレスチナ紙アルハヤト・アルジャディダ二十三日付)。同氏は「イスラエルの措置はガザ地区の失業率と貧困率を高め、同地区内での人道支援事業の停止に導く」とし、「電気や燃料、水などの生活必需物資の提供停止の宣言は、被占領住民の保護を定めたジュネーブ条約に違反する」と訴えました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp