2007年9月23日(日)「しんぶん赤旗」
「集団自決」直後の映像
1フィートフィルム上映会
9・29県民大会成功めざす
文部科学省の教科書検定意見撤回と沖縄戦「集団自決」記述の復活を求め、島ぐるみの取り組みとなっている「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(二十九日)に向け、「沖縄戦記録フィルム1フィート運動の会」は二十二日、「沖縄戦歴史歪曲(わいきょく)を許すな! 9・29県民大会の成功をめざす 1フィートフィルム上映会」を那覇市内で開催しました。
座間味村で六十七人が犠牲になった「産業組合壕(ごう)」の映像を収録していた「ドキュメント沖縄戦」を上映しました。地元紙によれば「産業組合壕」の映像は「集団自決」直後のものとされています。報道後、フィルムを所有する同会に問い合わせが続き、県民大会を控え、緊急に上映したもの。映像は数秒。壕の入り口に倒れる遺体が「集団自決」だといいます。
「ドキュメント沖縄戦」は、一九四四年十月の琉球列島全域の爆撃から終戦までを、米軍による撮影で記録。米兵が壕に爆弾を投げ入れ、中にいる人ごと吹き飛ばす様子など、悲惨を極めた地上戦を克明に描写しています。
捕虜となり再会した家族と抱き合う映像に、会場からは嗚咽(おえつ)がもれました。映像を見終わり会場を出ようとした女性は「もう胸がいっぱいで…」とつぶやき、それ以上の言葉になりませんでした。
司会をした、男性(59)=沖縄フォークシンガー=は、「沖縄戦は(県民の)みんなが遺族だ」といいます。それだけに、歴史の歪曲を絶対に許さないとする県民大会は、「五万人といわず十万人が集い、(検定意見を)撤回させたい」と話します。