2007年9月23日(日)「しんぶん赤旗」
改憲促進へ6億円
国民投票PR 総務省が予算要求
全国50紙に全面広告3回
今年五月に成立した改憲手続き法(国民投票法)を国民に周知徹底するために、政府が約六億円を投じて新聞全面広告などを使った広報計画を準備していることが分かりました。総務省が来年度予算案に新規項目として概算要求しました。改憲世論を盛り上げることを意図したものです。
総務省が八月末にまとめた概算要求には「国民投票制度の周知及び執行体制の確立に必要な経費」として六億三千万円を要求しました。内訳を説明した総務省国民投票係によれば、新聞全面広告に四億円(全国紙五紙、ブロック紙三紙、地方紙四十二紙の計五十紙に三回にわたって掲載する)、雑誌広告に七千万円などを盛り込みました。
広報費用関係だけで五億八千九百二十万円になります(詳細は表)。このほか「執行体制の検討・研究」の費用として四千万円を要求しました。
改憲手続き法は自民・公明の与党が、憲法九条改悪を狙って強行成立させたものですが、国民投票法部分の施行は三年後。同法成立(五月)に際しては、参院憲法調査特別委員会で「十八項目」にものぼる付帯決議がつけられ、(1)投票年齢を十八歳以上とするための法令整備(2)最低投票率の是非の検討(3)在外投票の保障問題(4)公務員・教員の地位利用にかんする基準の検討(5)有料広告規制の検討など、法案の根幹にかかわる問題を検討課題としました。
この問題の検討も始まらないうちに、巨額な費用を使って法律の広報活動ばかり先行させるやり方は重大です。
総務省は「法律に検討課題が残されてはいるが、準備は必要だ。国民の大多数にかかわる新しい制度なので、あまねく周知する」と説明します。
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