2007年9月21日(金)「しんぶん赤旗」
法王、米国務長官との会談拒否
イラク戦争で対立が理由? 英BBC報道
【ロンドン=岡崎衆史】英BBC放送(電子版)は十九日、米国のライス国務長官がローマ法王ベネディクト十六世の八月の休暇中にイラクと中東問題での会談を申し入れたの対し、ローマ法王庁(バチカン市)側が断っていたと報じました。
法王庁当局者の話として伝えたもので、BBCはその理由として、イラク戦争をめぐるバチカン側と米国の対立があるとの見方を示しています。
BBCは法王側による会談拒否の理由を次のように指摘しました。
一つは、二〇〇三年三月のイラク開戦直前、当時の法王ヨハネ・パウロ二世が特使を送ってイラク戦争の道徳的な誤りを指摘し開戦を思いとどまるよう説得しようとしたのに対して、ブッシュ政権が耳を貸さなかったからだとしています。
また、バチカン側が米国に対して、イラクのキリスト教徒の権利を保護するように求めたのに対し、米国側が拒否したことを挙げています。
BBCは、イタリアの有力紙が会談拒否をバチカンによるブッシュ政権冷遇の例とみていることを紹介。ただ、バチカン筋はBBCに、法王は八月の休暇中に通常政治家とは会談しないと釈明しているとのことです。
ライス長官は、法王に会えず、ベルトーネ枢機卿と電話で会談したといいます。