2007年9月21日(金)「しんぶん赤旗」
若者に家賃補助
年収350万円以下に月3万3千円
青年の自立 手厚く支援
スペイン政府
【パリ=山田芳進】スペインのサパテロ首相は十八日、若者向け社会政策の一環として、来年一月から実施される家賃補助などの住宅支援計画を発表しました。
これによると、二十二歳から三十歳までの年収二万二千ユーロ(約三百五十万円)以下の労働者に対し、最初に借りる住宅について最長四年間、月二百十ユーロ(約三万三千円)の家賃補助を給付します。また敷金と家賃六カ月分の契約保証金として、六百ユーロ(約九万六千円)が支給されます。
該当年齢層の青年労働者の80%が今回の家賃補助の対象となると推定されています。これらの計画にかかる予算は四億三千六百万ユーロ(約六百九十八億円)。
サパテロ首相は記者会見で、「住宅は多くのスペイン国民にとって最大の問題だ。ともに働くことを通じて、これを問題でなく、権利に変えることができると確信する」とのべました。
すでに同国では、若者への住宅供給を促すため、賃借人が二十五歳未満の場合、家主の家賃収入への課税を100%免除しています。
スペインでは、この十年間に家賃はほぼ三倍に上昇。政府によると、若者が三十代まで仕事や家探しをせずに親と同居することが、経済成長の阻害とともに、日本と同水準にある少子化問題の要因になっています。
サパテロ社会労働党政権による若者支援政策としては、七月に、新生児一人当たり二千五百ユーロ(約四十万円)を給付し、今月上旬には、七歳から十五歳までの歯科医療費を全額免除することが決定されています。