2007年9月21日(金)「しんぶん赤旗」
「大騒ぎする必要はない」
言っていた福田氏が…
記者会見、街頭演説、支持者回りと、連日うんざりするほどの自民党総裁選の報道。一般の国民は投票することもできないのに、普通の国政選挙のように扱うのは良識を疑うという声が、一般紙の読者欄にも相次いで掲載されるようになりました。そんななか、注目する発言にぶつかりました。
「しょせん自民党の中のことですから、自民党の政策というのは大体同じ方向ですよ。そんなにあれがいいから、これが悪いからと区別をするほどの政策の違いはないと思います。ですからそういう意味では、例えばほかの国の大統領選挙のような大騒ぎをする必要はないと私は思います」
発言の主は、福田康夫元官房長官。昨年四月のある懇談会でのことです。(『じゅん刊 世界と日本』一〇六八号)
たしかに、政権党とはいえ「しょせんは自民党の中のこと」、国民に「福田か麻生か」を選べるような錯覚を与えるテレビや全国紙の報道はいかがなものかと思います。ただ、そういった福田氏自身も、マスメディアの報道に乗って連日パフォーマンスに躍起です。「大騒ぎをする必要はない」といったら値千金ですが…。
いずれにせよ、参院選の惨敗と前代未聞の政権投げ出しへの「反省なし」、基本政策についての「転換なし」という総裁選は、早晩国民からしっぺ返しをくうことになるのは必至でしょう。