2007年9月21日(金)「しんぶん赤旗」
安心の出産体制へ援助を
共産党 奈良県議団が政府要請
奈良県で、昨年の妊婦死亡に続き、今年八月に妊婦の受け入れ先が決まらず救急搬送中に死産するなど深刻な事態が起こっていることを受けて、日本共産党奈良県委員会と奈良県議団(山村幸穂団長・五人)は二十日、厚生労働省と文部科学省を訪ね、産科医療体制の強化に向けた国の支援を申し入れました。穀田恵二衆院議員、山下芳生参院議員が同席しました。
申し入れでは、二年続けて起きた不幸な事態に、県民の多くが「奈良県では安心して子どもを産めない」と強い衝撃を受けていることを紹介。▽奈良県総合周産期母子医療センターの本格的な整備の支援▽産科の救急体制の強化▽医師・看護師・助産師確保への支援▽県立医科大学の定数増―など七項目について、国の緊急で抜本的な支援を求めました。
山村氏らは、全国の公立大学のなかで奈良県立医科大だけが医学部定員を五人減らしたことを示し、定員五人の復活と、新たな五人の定員増を求めました。また、国が実施している医師派遣システムで、奈良県が対象になっていないことなどを指摘し、「県の動きを待っているだけでは問題は解決できない。国から働きかけて援助してほしい」と要求しました。
応対した文科・厚労両省の担当者は、「奈良県の事態は重要な問題」と認めながらも、「他の県からも要望があり、医師が増えすぎてしまう可能性があるため、これ以上の定員増は困難」と回答。医師派遣など緊急対策については「県とよく相談してすすめていきたい」と答えました。
穀田、山下両氏は「命が奪われる事態が連続して起きたことを真剣に受け止め、一刻も早く対応するべきだ」と迫りました。