2007年9月20日(木)「しんぶん赤旗」
減税公約撤回を正当化
東京都議会 石原知事が所信表明
東京都議会第三回定例会が十九日開会し(会期は十月五日まで)、石原慎太郎都知事が所信を表明しました。
石原知事は、都知事選前の三月に公約した、低所得者を対象にした個人都民税軽減を撤回したことについて、「税による一律の対策よりも、きめ細かく的確な施策を重点的に講じることが、より公平で効果的と判断した」「公約を進化させる」と居直りました。
また、重大な問題となっている後期高齢者医療制度や、知事選で公約し、早急な実施が求められている中学三年生までの医療費無料化については一言も触れませんでした。
教育問題では、全国の都道府県で東京都だけが実施していない少人数学級には触れず、「社会の一員としての自覚を養う『奉仕』の授業を必修化するなど、独自の改革を進めてきた」と強調。「教育基本法の『改正』や教育再生会議の動きを見ると、国がようやく東京の取り組みに追い付いてきた感がある」と誇りました。
一方で、オリンピック東京招致を都政課題の第一に掲げ、三環状道路の整備を進めていく考えを示すなど、五輪招致をテコに大型開発を推進する姿勢を押し出しました。
米軍横田基地の軍民共用化の推進も示しました。
また、豪華海外視察の復活と批判されている南太平洋のツバル・フィジー諸島の視察をあげながら地球環境対策に言及しましたが、東京都が地球温暖化対策として力を入れるべき都心ビル開発・CO 2抑制についての対策は示しませんでした。