2007年9月17日(月)「しんぶん赤旗」
戦争でテロなくせない
アフガン撤兵求め1万人デモ
ベルリン
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【ベルリン=中村美弥子】ベルリンで十五日、対テロ戦争に反対し、ドイツ連邦軍のアフガニスタンからの撤退を求める集会とデモ行進がありました。「アフガニスタンに平和を―軍隊は出て行け」のスローガンのもと、ドイツ各地から約一万人(主催者発表。警察発表は五千人)が参加。連邦議会でアフガン駐留延長の可否をめぐる採決を控えているなか、与野党の連邦議会議員に対し反対票を投じるよう圧力をかけました。
この日の集会とデモの呼びかけには、左翼党をはじめ各地の平和団体や環境保護団体など約二百組織が賛同しました。集会会場のベルリン市庁舎前広場は、「戦争はテロの解決策ではない」「民間人を殺すな」「武器を輸出するな」などのプラカードや横断幕を持った人たちで埋め尽くされました。
集会で発言したベルリン自由大学のグロティアン名誉教授は、連邦政府は国民のなかにあるテロへの不安を利用してテロ対策を強化し警察国家への道を歩んでいると批判。「戦争に反対するたたかいは、人権や民主主義を守るたたかいでもある」と力を込めて訴えました。
左翼党のゲルケ連邦議会議員は、「独軍兵士はアフガン復興に貢献せず、戦争に加担している。戦争に反対する国民の声と平和を求めるネットワークをさらに強めよう」と呼びかけました。
ニーダーザクセン州ゲッティンゲンから参加したアンネ・シュライナーさん(63)は、独政府の軍事的な外交政策に強い懸念を抱いています。「テロは戦争ではなくせない。軍事費は教育や社会基盤整備に回すべきだ」と強調しました。
「アフガンの人々が自分たちの手で国づくりができるように支援すべきだ」というのは、地元ベルリンに住むオリバー・クラーさん(28)。「ドイツが果たすべき国際的な役割は、米国の政策に反対し、アフガン復興のために力を尽くすことだ」と語りました。