2007年9月16日(日)「しんぶん赤旗」
談合追及の行動提起も
オンブズマン大会始まる
山形
政務調査費や情報公開のあり方をテーマに、全国市民オンブズマン連絡会議の「第十四回全国市民オンブズマン山形大会」が十五日、山形市内で始まりました。二日間の日程で全国から集まった三百二十人が交流します。
初日のこの日は、全都道府県、十七政令市、三十五中核市など計百九自治体の議員、約五千七百人を対象に行った政務調査費などに関するアンケートの集計結果が報告されました。アンケートを議員個人に直接送付するというやりかたは初めてといいます。
アンケートは「政務調査費の交付額」「領収書の公開」「会計帳簿の公開」など六項目について問うもの。53%にあたる三千五十四人が回答。
交付額については、都道府県議の82%、政令市議の76%が「妥当」と回答。領収書の公開については都道府県議の55%、政令市議の67%が「全面公開すべき」としています。同会議は「予算規模の大きい自治体ほど透明度が低い傾向がある」と指摘します。
同会議によると、全都道府県と政令市で交付される政務調査費は約百八十六億円。今年春のいっせい地方選挙では透明化を選挙公約に掲げ、選挙の争点になった自治体が多数ありました。
報告した新海聡同会議事務局長は「透明化することで、仕事をしない議員を市民がチェックできることになる」と指摘。「今後一年間の運動の重点にしていきたい」と述べました。
大会では「情報公開」「談合」「政務調査費」の三つのテーマで分科会がもたれました。「情報公開」分科会では、行政文書の開示や議会情報の透明化について、問題点や運動の課題について議論。「談合」分科会では、ゴミ焼却炉談合や橋梁(きょうりょう)談合の摘発などをもとに、各地で取り組まれた住民訴訟などについて報告されました。
全国的な運動として、し尿処理施設談合での監査請求や、緑資源機構の林道談合をうけ、地元負担金の支出差し止めなどの行動が提起されました。大会では、評論家の佐高信さんが「情報公開は民主主義の源泉」と題し記念講演しました。