2007年9月16日(日)「しんぶん赤旗」
学力テスト「対策」でテスト漬け
教委の指示受け
入学式の日にも
京都・八幡市
今年四月に全国の小六と中三を対象に実施された全国学力テストで、京都府の八幡市教育委員会が、市内十五の小中学校に事前学習を行うよう指示し、各校がそれを受けて、市に計画を提出のうえ、過剰な事前対策を行っていたことが明らかになりました。十四日の市議会の質問で、日本共産党の山本邦夫市議が明らかにし、「子どもに過度な競争を押しつけるもの」と強く批判しました。
山本市議は、情報公開制度で入手した各校の「学力テストに向けた取組計画」を取り上げました。それによると四月二十四日実施の学力テストに向け、すべての小中学校で予備テストや各種プリントを使った予備学習がくりかえし実施されました。
なかには中学校の入学式が行われた十日にも二校で予備テストなどが行われていたため、「これでは、在校生にとっても、新入生を迎え入れる入学式に心から集中できない」と厳しく批判しました。
始業式からテストまでの約二週間に、国語と数学で、一週間の終礼補習、宿題テスト・実力テスト各一回、予備テスト三回、さらに学力テスト直前には宿題とプリント総復習という計画が組まれた中学校もありました。
山本市議は、全国学力テスト以外にも市全体で実施しているテスト、漢字・計算力テストなどが行われ、過去の問題集を練習するなど、「テストのための学習」が日常化していると指摘し、「テスト漬けでは本当の学力向上に結びつかない」と批判しました。
市教委は答弁で、「目の前の点数を上げるためのものではない。日常的な学力向上の取り組みだ」と開き直りました。