2007年9月16日(日)「しんぶん赤旗」
親族会社に政党助成金
「家賃」など830万円
渡辺行革相
渡辺喜美金融・行革担当相(衆院栃木3区)が支部長を務める「自民党栃木県第三選挙区支部」(栃木県那須塩原市)が、政党助成金を使って家賃などを親族会社に十一年間で、八百三十万円も支払っていたことが、十五日、本紙の調べでわかりました。国民の税金が親族会社に流れた格好です。
十四日付官報で公表された同選挙区支部の「政党交付金等使途報告書」(〇六年分)によると、自民党本部から四回にわたって計一千万円の政党助成金の交付を受けています。
この交付金から「借料損料」として、「(株)渡辺美智雄経営センター」に百万八千円を支出しています。
同センターは、自民党副総裁、蔵相などを歴任した同相の父親、渡辺美智雄氏(故人)の名前を冠した会社で、登記簿謄本や同相が昨年四月、衆院議長に提出した「関連会社等報告書」によると、同相は昨年九月まで取締役会長でした。同時期に提出した「所得等報告書」によると、「関連会社からの報酬」が約二千万円あります。また、同相の母親や、関連政治団体の会計責任者二人が取締役や監査役に名前を連ねています。
同選挙区支部は、一九九六年から〇五年までの十年間は、別の親族会社、有限会社「和三紫(わさし)」に「家賃」などを政党助成金で支払っています。
「政党交付金等使途報告書」をみると、「家賃」「借料損料」「敷地借り上げ料」の名目で計七百三十万円にのぼります。
和三紫は、故美智雄氏の資産管理などを目的にした会社。現在の社長は、同相の母親です。
菅義偉前総務相は、所有するビルに関連政治団体の事務所を置きながら、自身に家賃を払っていたことが内閣改造直前に発覚、「政治資金で資産形成したのでは」という批判を受けました。
渡辺氏の場合は、政党助成金という税金が「家賃」などの形で同氏の二つの親族会社側に還流していたことになります。
渡辺氏の事務所は、この問題について、十五日までに回答を寄せませんでした。