2007年9月15日(土)「しんぶん赤旗」
「事務所費」1500万円超6人
伊吹文科相は3335万円
家賃無料の議員会館
06年政治資金報告書
家賃が無料の議員会館に資金管理団体の「主たる事務所」を置きながら、年間千五百万円を超す「事務所費」を計上していた国会議員が伊吹文明文部科学相(衆院京都1区)ら六人いたことが、十五日付官報で公表された二〇〇六年の政治資金収支報告書でわかりました。「事務所費」問題は、本紙一月三日付が、〇五年の報告書で報道、「政治とカネ」をめぐる大問題に発展しました。
伊吹氏2月に「事務所」移す
トップは金田勝年元外務副大臣(参院秋田選挙区=落選)の三千六百六十八万円(表参照)。〇五年より、約八百万円増えています。国民新党代表代行の亀井静香元建設相(衆院広島6区)も約三百万円増の二千七百五十一万円。自民党の武見敬三前参院議員は二千二百万円以上増えて二千七百二十七万円に。
伊吹文科相は、〇五年の四千百四十六万円より約八百万円減ったものの三千三百三十五万円。
本紙の問い合わせに伊吹事務所は、ことし二月六日付で「主たる事務所」を東京・平河町のマンションに変更したとしたうえで、「京都市内の事務所経費も合算している」としました。
伊吹氏は、〇五年の「事務所費」について、飲食を含む会合費三百万―四百万円のほか、「東京と京都の事務所の賃料、七台ある秘書用の車のガレージ代、コンピューターの回線使用料などで約二千万円超」が含まれていると説明してきましたが、残り二千万円近い使途不明があります。〇六年分についても“差額”の説明責任があります。
「事務所費」問題など、数々の疑惑について、明らかにしないまま自殺した松岡利勝元農水相は、約七百万円減の二千六百七十七万円。議員会館は電気代、水道代も無料ですが、「ナントカ還元水」で話題になった「光熱水費」は〇五年の五百七万円より減ったものの三百七十五万円でした。
一方、〇五年に三千十五万円の事務所費を計上した鈴木俊一元環境相(衆院岩手2区)は八百九十二万円。同氏は、参院選後の安倍内閣改造を前に、事務所費を二千二百万円以上も減額し、七百五十四万円に「訂正」していました。
本紙の問い合わせに、鈴木事務所は「議員会館自体では経費はかかっていませんが、選挙区内の事務所に経費がかかっている」として、地元の三つの事務所の家賃、通信費などとしています。
〇五年は、千五百万円以上の事務所費を計上していたのは八人いましたが、千五百八十八万円だった自民党の武田良太衆院議員(福岡11区)が、九十二万円に大幅減額するという例も。
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