2007年9月15日(土)「しんぶん赤旗」
そうだったのか! 政治資金
Q 政治資金報告書って何?
A 政党や政治団体が、一年間の収入と支出を届け出たものです。
提出先は、総務相(二つ以上の都道府県にわたって活動する政党や政治団体)と都道府県選挙管理委員会(主に都道府県内で活動する政党支部や政治団体)です。一月から十二月までの収支などを、翌年の三月までに提出することになっています。
二〇〇六年に総務相届け出分で報告書を提出したのは三千八百五十三団体でした。ただ、都道府県選管届け出分はそれぞれの選管ごとに順次公開されるため、政治資金の全体像が一度に把握できない問題があります。(グラフ参照)
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Q どんなことが分かるの?
A 収支の総額や内訳も大まかに分かります。
〇六年の報告書では、全体収入額は千二百六十八億五千二百万円で、一九八四年に次ぐ二十一年ぶりの低水準となった〇五年をさらに六十億円下回りました。支出額は千百二十八億九千七百万円で、前年に比べ二百二十九億円、16・9%の減少。大型の国政選挙がなかったことが反映しています。
官報で公開されるのはあくまでも要旨です。政党や政治団体の支出で領収書などを精査したい場合は、総務省や都道府県選管に開示請求する必要があります。
Q 政治団体とは?
A さまざまな政治結社のほか、自民党の清和政策研究会(町村派)、平成研究会(津島派)などの派閥や、政治家などが政治資金の受け皿として指定する資金管理団体、政治家の後援組織など広く含まれます。自民党や民主党などの国会議員は、自らが代表を務める政党支部も持ち、ほかにも複数の後援組織を持っていることが少なくありません。政党支部から資金管理団体に「寄付」したり、政治団体間で「寄付」したりする手法を多用することで、規制の網の目から逃れられるようになっています。
また、各政党は、その政党への資金援助を目的とする政治資金団体を持っています。自民党は「国民政治協会」、民主党は「国民改革協議会」、公明党は「公明文化協会」です。
日本共産党は政党中心の政治活動を基本とし、政治資金は政治家個人でなく、中央委員会、各都道府県委員会、地区委員会が責任をもって取り扱い、総務相や都道府県選管に報告しています。
Q 献金にはどんな規制?
A 企業・団体献金については、政治家個人の資金管理団体への献金は禁止されていますが、政党本部と政党支部、政治資金団体への献金は、規模に応じて最高一億円を上限としています。政治団体から政党・政治資金団体への献金には、上限がありません。一方、政治団体から政治団体への献金には、五千万円という上限が設けられています。
〇六年の報告書では、企業・業界団体からの献金は三十五億三千四百万円で、〇五年より一億一千百万円増えました。政党支部が企業・業界団体から集めた献金を比べると、自民党の三億二千八百万円に、民主党が二億六千五百三十三万円と迫っています。三倍以上の開きがあった前年と比べ、差が格段に縮まりました。
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